名前 福島 歩 (ふくしま あゆむ)
部署・役職 大工
インタビュー

巧みたちの意気!(以下転載)

人が人生を歩き始める際、必要とされるものの中に、志、あるいは目標がある。

数十年前、祖父母の家屋を建築した大工さんにあこがれ、中卒と同時にこの道一筋で頑張っている、福島建築代表の福島歩さん(52)は、通算37年間、まじめ、丁寧さを”看板”に、技術を駆使して汗を流す。
 

もっと地元の工務店を

 昔流の道具使い建てたい

 
福島さんは、母親が仕事で外出している日は、近くの祖父母に預けられた。

その祖父母の自宅が建て直されるのを間近で見ていたことで、「子どもの頃のことでしたが、大工さんたちの仕事が素晴らしく、『大きくなったら…』と考えていたんです。」

中学を卒業すると同時に、小名浜の工務店に弟子入り。

「高校へ行くよりも一日も早く、この手に職をつけたかった。だから迷わず、この道へ入ったんです」

中学時代の担任の世話で弟子入りした福島さんは、この当時に触れ、開口、「とにかく厳しい親方だった」と、振り返った。

当初は道具の手入れは基本中の基本で、現場へ出た折も、他の職人たちの一服(休憩)時にはお茶を入れ、片付けなどは当たり前で、「職人と弟子の違いをはっきり仕込まれた。」
厳しさに辞めてしまった兄弟子たちもいたが、「先生からの紹介もあったし、意地でも辞めてたまるか、と頑張ったんだよねぇー」と、思い出してにっこり。
 
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ここで5年の年季奉公した後、別な工務店で7年の修行。

念願の「職人」になった後も、世話になった工務店には盆のお中元、暮れのお歳暮を持参して律儀にあいさつを続けている。

こうして一人前になったものの、請負はまだなく、手伝いが多かった。

だが、この時代に技術、人柄の良さが各方面に認められていく。

震災前、いわき地区の業界は、”冬の時代”。

廃業に踏み切る工務店も少なくなかったが、福島さんは生来のまじめさ、技術の高さも買われ、「それまで交流のあった先輩、後輩たちからの紹介などで仕事は切れることはなかったんです。恵まれていました」と、思い出しては感謝する。

福島さんが「親方」として請負仕事を始めたのは、7年前から。
 
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自らが代表の工務店を内郷地区に立ち上げ、これまで20数件の一般住宅を建築し、他の職人の手を借りた際は必ずチェック。

「きちんと仕事をしないと、信用問題にかかわってくるし・・・。ダメなものはダメだから。見えるところ、見えないところも一緒。手抜きや、キズなどは絶対ダメですから。」
昨今の住宅建築は時代の流れ、大手メーカーの進出も一因か、大きく様変わり。

スピード重視、あるいは建築費用も関係しているのだろうか、図面通りのプレカット方式が主流で、基礎工事を含め、二ヶ月半程度での完成だ。

こうした現場に福島さんは、「ノミ、カンナの時代は昔になった。今はクギを打つにも機械。それにしても、地元の工務店、業者を大事にしなければ」と、今昔の違いなどに触れつつ、「個人的な希望だけど、昔流の道具を使って材木を加工して家を建てたいね」と、プロとしての”本音”をチラリと明かした。


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雑誌「月刊りぃ〜ど 2019年7月号」に掲載されました内容を転載しております。